著者:庄嶋 善則

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外装劣化診断士、代表取締役の庄嶋です!
漆喰壁は、和風住宅の外観を引き立てる美しい仕上げ材として、長年にわたり愛されてきました。自然素材ならではの風合いや調湿性、防火性の高さが魅力ですが、その一方で、繊細な素材ゆえに定期的なメンテナンスが欠かせません。
「どう手入れすれば長持ちする?」「ひび割れや汚れはどう対応する?」そんな疑問を解消するため、今回のお役立ちコラムでは「和風住宅の漆喰壁のメンテナンス方法と頻度」について解説します。
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漆喰壁がもつ特徴と劣化のサイン

漆喰は消石灰を主成分とする自然素材で、調湿性や防火性に優れた外壁仕上げ材として、古くから和風住宅に使われてきました。真っ白で滑らかな表情は、和の美しさを象徴する要素のひとつです。
しかしその一方で、漆喰は非常に繊細な素材でもあり、施工から年数が経つにつれて少しずつ劣化が進みます。
長く美しさを保つためには、素材の特性を理解したうえで、初期の劣化サインを見逃さないことが大切です。
漆喰の性質と和風住宅に使われる理由
漆喰は、自然由来の素材から作られた「呼吸する壁材」です。空気中の湿度を吸収・放出する調湿作用があり、室内環境を快適に保ちやすい点が特徴です。また、アルカリ性の性質によりカビや細菌の繁殖を抑える効果があり、防カビ性能にも優れています。
さらに、無機質なため火にも強く、防火性の高さが認められており、古くは蔵や寺院、武家屋敷などでも多用されてきました。和風住宅の外観を引き締める意匠としても非常に人気が高く、現代でも自然素材を取り入れた外壁デザインの定番とされています。
劣化によるひび割れ・剥がれ・変色の見分け方
漆喰の劣化は、以下のようなサインとして現れます。
- ヘアクラック(細いひび割れ)
表面に髪の毛のような細い亀裂が走る症状。構造上の問題でなければ、すぐに補修の必要はありませんが、放置すると徐々に深くなります。
- 剥がれ・浮き
下地との密着が弱くなり、一部が浮いていたり、パリッと剥がれ落ちたりする症状。水分の侵入や下地劣化が進行している可能性があり、早期の対応が必要です。
- 変色や黒ずみ
白さが失われ、黄ばみ・黒ずみ・緑っぽい汚れが見える場合、カビや藻が発生しているか、雨染みが蓄積している可能性があります。
これらの劣化サインが出始めた時点で、専門家に診てもらうことで、大掛かりな補修を避けることができます。早めの気づきが、長持ちのポイントです。
漆喰が傷む原因とは?
漆喰の劣化は、自然素材であるがゆえに環境の影響を強く受けます。とくに以下のような要因が複合的に重なることで、寿命を縮めてしまうケースが多く見られます。
- 雨風や紫外線による表面劣化
風雨や直射日光にさらされ続けると、漆喰の表面が乾燥・収縮を繰り返し、ひび割れや粉化が起こりやすくなります。
- 地震や建物の動き
わずかな振動や揺れでもクラックが発生することがあり、とくに築年数の経った住宅では注意が必要です。
- 下地や施工不良
モルタルなどの下地処理が不十分だと、早期に剥がれや浮きが発生することがあります。塗り方のムラや乾燥不足も影響します。
こうしたリスクを理解し、予防策を講じておくことで、漆喰壁は10年、20年と美しさを保つことが可能になります。
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日常的にできる漆喰壁のメンテナンス方法

漆喰壁は繊細な素材である一方、こまめな手入れを続ければ長く美しさを保つことができます。大がかりな修繕を避けるためにも、普段から気をつけておきたい掃除のコツや、ちょっとした劣化への対応方法を知っておくと安心です。
表面の汚れを落とすには?NGな掃除方法
外壁に付着する汚れの多くは、ホコリや排気ガス、雨垂れの跡、または風に舞った花粉や砂などです。こうした汚れは、時間が経つほど落ちにくくなるため、早めに落としておくことがポイントです。
掃除の基本は「乾いたやわらかいブラシ」または「ハンディモップ」などを使って軽く表面をなでるように払うこと。力を入れてこすったり、たわしやスポンジでゴシゴシ磨くのはNGです。表面を傷つけたり、塗膜を削ってしまう恐れがあります。
水をかける掃除も避けるのが無難です。漆喰は水に弱く、浸水すると表面がふやけて剥離する可能性があります。どうしても水を使いたい場合は、柔らかい布をしっかり絞って、軽く拭き取る程度にとどめましょう。
小さなひび割れの応急処置と注意点
髪の毛ほどの細さの「ヘアクラック」は、漆喰壁に起こりやすい劣化症状のひとつです。表面的なひび割れであれば、専用の補修用パテや漆喰補修材を使って埋めることで、見た目を改善することが可能です。
補修材はホームセンターやネットで市販されており、コテやヘラで簡単に塗ることができます。ただし、色が合わない・質感が異なると逆に目立ってしまうため、広い面積や複数箇所にわたる場合はプロに相談したほうが無難です。
また、ひび割れが深く、下地が見えるような大きな亀裂がある場合はDIYでの対応は避けましょう。内部に水分が入り込んでいる可能性があるため、放置せず早めに専門業者へ依頼することが必要です。
雨染み・藻・カビへの対応方法
日陰の壁面や湿気がこもりやすい場所では、雨染みや藻、黒カビが発生することがあります。これらは放置すると見た目が悪くなるだけでなく、素材の劣化も早めてしまうため、早期の対処が重要です。
対処方法としては、柔らかい布で汚れを拭き取るか、中性洗剤をぬるま湯で薄めて、部分的に軽く拭くのが基本です。その際、洗剤は必ず中性のものを選び、強くこすらないように注意してください。
市販のカビ取り剤や漂白剤は、漆喰を変色させるおそれがあるため使用NGです。また、藻やカビが再発しやすい場所では、除菌・防カビスプレーの使用も検討できますが、使用前に目立たない部分でテストするのが安全です。
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プロに任せるべきメンテナンスと最適な頻度

日常の手入れである程度の美観は保てますが、漆喰壁は自然素材ゆえに見えない部分から劣化が進行していることもあります。経年によるひび割れや剥がれ、下地の劣化など、表面だけでは判断しづらい症状には、専門業者による診断と施工が不可欠です。
自分でできることとプロに任せるべきことの線引きを把握して、長持ちする住まいづくりにつなげましょう。
漆喰の塗り直しはどれくらいの周期が目安?
漆喰壁の塗り直しは、おおむね10〜15年に一度が目安とされています。ただし、これはあくまで目安であり、立地条件や施工品質、過去のメンテナンス状況によって前後する可能性があります。
例えば、海沿いや山間部、湿気の多い地域では劣化が早まる傾向があり、10年未満で大きな補修が必要になることもあります。逆に日当たりや風通しの良い場所であれば、15年以上持つケースも珍しくありません。
重要なのは「年数」よりも「劣化のサインを見逃さないこと」です。少しでも異変を感じたら、専門業者に調査を依頼し、現状に合った対応を検討することが、長寿命につながります。
自分でできること・業者に頼むべきことの線引き
簡単な汚れ落としや軽微なヘアクラックの補修は、自分でも対応可能です。一方で、以下のような症状が見られる場合は、専門業者への相談を検討しましょう。
- ひびが深く、下地が露出している
- 剥がれや浮きが広範囲に広がっている
- カビや藻が何度も再発している
- 全体的に色ムラが目立つようになった
- 前回の施工から10年以上経っている
これらのケースでは、表面だけでなく内部の下地や構造部分に問題が生じている可能性があり、放置することで被害が拡大するおそれがあります。部分補修で済むうちに手を打つのが賢明です。
専門業者選びで見るべきポイント
漆喰壁の補修や塗り直しは、左官技術を必要とするため、すべての塗装業者が対応できるとは限りません。依頼する際は「左官経験のある業者」や「漆喰施工の実績が豊富な業者」を選ぶことが重要です。
業者を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 漆喰の施工事例を写真付きで掲載している
- 使用する素材や工法について丁寧な説明がある
- 自社施工かどうか(下請け任せではないか)
- 点検やアフターフォローの制度があるか
また、現地調査の際に細かく状態をチェックしてくれるか、質問に的確に答えてくれるかどうかも、信頼性を見極める大切なポイントです。適切な業者を選び、計画的なメンテナンスを行うことで、漆喰壁の美しさを次の世代まで引き継ぐことができます。
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漆喰壁の悩みは「おうちのかかりつけ医OHANA」へご相談ください

漆喰壁は、美しさと機能性を兼ね備えた和風住宅の象徴ともいえる存在です。しかし、その風合いを長く保つためには、正しい知識と適切なメンテナンスが欠かせません。日々の簡単な掃除から始まり、小さなひび割れの補修、カビや藻への対処法まで、セルフメンテナンスで対応できることはたくさんあります。一方で、劣化が進んだ場合や下地に問題があるときは、左官の技術に長けた専門業者の判断が重要になります。
「これって自分で直して大丈夫?」「プロに見てもらうべきタイミングは?」と迷ったときは、ぜひおうちのかかりつけ医OHANAへご相談ください。和風住宅に精通したスタッフが、現地調査からご提案まで丁寧に対応いたします。フォームからのお問い合わせはもちろん、メール・お電話でのご相談や、ショールームへのご来店もお待ちしております。漆喰壁の美しさを、次の世代にもつなげるために、早めの一歩を踏み出してみませんか?
